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2024年11月1日

【今月の聖語】身と影とのごとし
『忘持経事』/建治2年(1276)聖寿55

「先祖と一体」

仏様の優しいおこころをあらわす言葉である「慈悲」という言葉には、2つの意味があるといわれています。

一つ目は、人々に楽を与えるおこころ。二つ目は人々と同じ心情になって同情してくださるおこころという意味です。

あなたの身の回りには、楽しいことがあったら一緒に分かち合え、悲しんだり苦しい時に一緒に悩んでくれるような存在の方はいらっしゃいますか?

そういった方こそ、いざという時に本当に自分を救ってくれる存在あり大切にしていかなくてはなりません。

いま成仏をなさって、見守ってくださるご先祖さまもまたそういった存在です。

私たちが心安らかで穏やかであれば、ご先祖さまも同じように安穏でいてくださいます。逆もまた然り、ご先祖さまが安穏であれば、見守られている私たちもまた心安らかであることができるのです。

そういった意味でも、私たちは仏様やご先祖さまへの供養はしっかりと勤めなければなりません。苦しみ悩み迷ったときに心の救いになる存在は、つねに私たちが手を合わせる先にいらっしゃるのです。

 

◆本行寺のご紹介◆

本行寺は仏教の中で日蓮宗という宗派のお寺で、インドで仏教を説いたお釈迦様と日本で仏教を弘めた日蓮聖人を宗祖として信仰しています。日蓮聖人は鎌倉時代の僧侶で、乱世の時代に仏の教えによって人々を救おうとされ、現代でもその説かれた教えが受け継がれています。

宗教といえば、仏教のほかにも世界にはいろいろなものがあります。私たちが住む日本でも神道やキリスト教などをはじめ多くの宗教が信じられ、その中に仏教も含まれています。

神道は日本の神様についての教え、キリスト教はイエス・キリストが説いた教えです。では仏教はというと、他の宗教と比べ仏教の特徴としては、仏教は「仏が説いた教え」であり「仏になるための教え」でもあるとよく言われています。

ここでいう仏とは私たちが思い描く「神様」とは少し違う存在です。仏教では私たちの住む世界は苦しみの多い世界だと説かれています。仏とは真理を悟り煩悩や欲望から解きはなたれることで、その苦しみから離れた者のことであると説かれています。

ですので、仏教には仏になる方法=苦しみや悩みから救われる方法が説かれている宗教だとも言えるのです。

 

【参考】https://www.nichiren.or.jp/words/2024/08-1357/

誰もが父母があってこの世に生まれてきます。「産んでくれと頼んだ覚えはない!」と反発しても、この事実は変わりません。誰もが自分の体は親からいただいた大事な体なのです。
そんなあなたが、もし今、悩みや苦しみ、生き辛さを感じていたら、それはあなたのお父さんやお母さんも、かつて経験してきたことかもしれません。時には素直な心で父母に相談してみましょう。自分のことのように考えてくれ、良い答えを出してくれるかもしれません。
父母の父母、そのまた父母、ご先祖さまへと思いをはせてみましょう。みんな、あなたと同じように悩み苦しみ一生懸命生きてこられたと思います。今、〝私〟がいるのは父母(先祖)と〝身と影の如く一体〟だからです。たくさんの縁を感じながら「今」と「私」を幸せに生きましょう。