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お盆(盂蘭盆会)について

2022年7月11日

まもなく、2022年のお盆を迎える時期となります。お盆の期間は、全国的に7月または8月の13日から16日の4日間(地域によっては15日までの3日間)ございます。

もともと、行事としてのお盆(盂蘭盆会)は中国の仏教行事が発祥で、日本では古くは『日本書紀』に、「この年より寺毎に、四月八日・七月十五日に斎(とき)を設けた」とお盆の行事を行った文が見られるほど歴史的な行事でもあります。現在の日本の一般的なお盆は、時代がたつにつれ在来の民間習俗としての「魂まつり」と融合したことで、おもにご先祖の供養をする行事として広まっています。

お盆ではまず、13日(迎え盆)の夕刻に先祖の精霊を「迎え火」で迎え、仏壇を清掃して、その前に「精霊棚」をつくり曼荼羅を掲げ、先祖のお位牌や様々な供物を供え、16日(送り盆)には「送り火」で送り出すのが、一般的なお迎えの仕方です。

13日に軒先に盆提灯を吊し自家の門口で、苧穀(おがら)を焚くのを「迎え火」16日に焚くのを「送り火」といいます。現在では住宅事情もあり火を焚いてお盆を迎える形をとらない場合も多くあります。

一般的なお盆の考え方としては、先祖の精霊が浄土から現世へ戻ってくると言われているため、棚を作りお供えを用意することは、ご先祖様が無事に家までたどり着けることを願ったり、久々の自宅でご供養やおもてなしをしたりする意味もございます。

また、お盆は、7月のお盆である新盆と8月のお盆である旧盆の2つがございます。お盆の時期が異なる理由は、新暦と旧暦のどちらで計算するかによって地域の風習や文化にあわせて執り行われてきました。どちらも間違いであることはないので、地域やお宅でお迎えしているお盆の月に合わせてご先祖のご供養をなさって頂いて結構です。

 

本行寺では新盆では713日・16日、旧盆には813日とお宅のお盆にあわせてどちらのお盆でも法要を執り行っており、皆様のご先祖様を供養しております。

そのほか、普段から様々なご供養事・仏事の相談なども受け付けておりますので、ご要望のある方はホームページ下の電話番号もしくは、問い合わせフォームから気軽にご依頼ご相談ください。

 

           

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【今月の聖語】十界互具これを説く

2024年10月17日

【今月の聖語】十界互具これを説く
『如来滅後五五百歳始観心本尊抄』/文永10年(127352

「優しさの心」

日蓮聖人が信仰された法華経には、「十界互具」(じっかいごぐ)という教えがあります。

十界とは人の状態・ありようを表したもので、地獄のような迷いの状態から、仏の悟りのような清らかな状態を十の境界で示したものです。

そしてこれらの十の境界は別々に存在するわけではなく、常に折り重なっており、善と悪を行ったり来たりしてしまうと説かれています。

たとえば完全な悪人がいないように、完全な善人であることが難しいように、私たちは自然と他人を気遣うこころを出すこともあれば、時には利己的な考えに支配されそうになる瞬間があります。

しかし、人もまた折り重なるようにこの社会で関係しあって生活をしています。優しい心が他人の善を呼び起こすこともあるでしょう。自分自身の独善的な感情が伝播するように他人の悪感情を引き出してしまうかもしれません。

争いや不和の絶えない私たちの世界の平和は、一人ひとりの「優しさの心」が響き渡ることで現れてくるのではないでしょうか。

 

 

本行寺のご紹介

本行寺は仏教の中で日蓮宗という宗派のお寺で、インドで仏教を説いたお釈迦様と日本で仏教を弘めた日蓮聖人を宗祖として信仰しています。日蓮聖人は鎌倉時代の僧侶で、乱世の時代に仏の教えによって人々を救おうとされ、現代でもその説かれた教えが受け継がれています。

宗教といえば、仏教のほかにも世界にはいろいろなものがあります。私たちが住む日本でも神道やキリスト教などをはじめ多くの宗教が信じられ、その中に仏教も含まれています。

神道は日本の神様についての教え、キリスト教はイエス・キリストが説いた教えです。では仏教はというと、他の宗教と比べ仏教の特徴としては、仏教は「仏が説いた教え」であり「仏になるための教え」でもあるとよく言われています。

ここでいう仏とは私たちが思い描く「神様」とは少し違う存在です。仏教では私たちの住む世界は苦しみの多い世界だと説かれています。仏とは真理を悟り煩悩や欲望から解きはなたれることで、その苦しみから離れた者のことであると説かれています。

ですので、仏教には仏になる方法=苦しみや悩みから救われる方法が説かれている宗教だとも言えるのです。