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【今月の聖語】ただ一念の信ありて

2025年1月28日

【今月の聖語】ただ一念の信ありて

日蓮聖人ご遺文『法華題目鈔』/文永3年(1266)聖寿45


=自信を持つということ=

仏教には、「発菩提心」という言葉があります。悟りを開こうとする気持ちをもって、仏門に入ることを指す言葉です。

私も現在は一人の僧侶として住職を勤めておりますが、元々一般の家庭(在家)で生活していました。しかし私が高校生の頃、当時本行寺の住職をしていた母方の祖父が遷化(逝去)されたことをきっかけに、様々なことに思いを巡らせた結果、仏門を叩きました。

日蓮宗では現代、出家し僧侶になるために「信行道場」と呼ばれる場所に入り、先生となる僧侶の指導のもと一定期間の修行を行います。

そこで先生がよくおっしゃっていたのが、「心にお題目の樹を生やせ」というお言葉でした。

僧侶となり、四苦八苦と呼ばれるこの世で正面からそれに向き合うためには、しっかりとした柱になる信心を持たなくてはならないという意味で下さったお言葉だと思います。

そしてこの、心に柱となる部分を建てるというのは、だれしもが備えておくことで自信や力となる心構えであると思います。

ただし、柱がしっかりしていないと丈夫な建物にならないように、諸法実相・諸行無常と呼ばれるこの世は移り変わるものばかりで、自分の柱となるような揺るがないものを見つけ出すことも難しいことかもしれません。

しかし、その中でも唯一無変のもの、移り変わらず揺るがないものとして存在するのが仏様や仏様が説いたお経です。そして、それを一つの言葉にしたものが「南無妙法蓮華経」というお題目です。

もし今、苦しいと感じてしまっている、日々の悩みで漠然とした不安が浮かんでしまった時には、自分の心を真っ直ぐにするつもりで手を合わせ、「南無妙法蓮華経」と唱えてみてください。ただ一心に信じて念じることが出来た時、自分自身の心の中に揺るがない柱として仏様が現れてくれることでしょう。

◆本行寺のご紹介◆

本行寺は仏教の中で日蓮宗という宗派のお寺で、インドで仏教を説いたお釈迦様と日本で仏教を弘めた日蓮聖人を宗祖として信仰しています。日蓮聖人は鎌倉時代の僧侶で、乱世の時代に仏の教えによって人々を救おうとされ、現代でもその説かれた教えが受け継がれています。

宗教といえば、仏教のほかにも世界にはいろいろなものがあります。私たちが住む日本でも神道やキリスト教などをはじめ多くの宗教が信じられ、その中に仏教も含まれています。

神道は日本の神様についての教え、キリスト教はイエス・キリストが説いた教えです。では仏教はというと、他の宗教と比べ仏教の特徴としては、仏教は「仏が説いた教え」であり「仏になるための教え」でもあるとよく言われています。

ここでいう仏とは私たちが思い描く「神様」とは少し違う存在です。仏教では私たちの住む世界は苦しみの多い世界だと説かれています。仏とは真理を悟り煩悩や欲望から解きはなたれることで、その苦しみから離れた者のことであると説かれています。

ですので、仏教には仏になる方法=苦しみや悩みから救われる方法が説かれている宗教だとも言えるのです。

 

【参考】https://www.nichiren.or.jp/words/2024/08-1357/