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【今月の聖語】十界互具これを説く

2024年10月17日

【今月の聖語】十界互具これを説く
『如来滅後五五百歳始観心本尊抄』/文永10年(127352

「優しさの心」

日蓮聖人が信仰された法華経には、「十界互具」(じっかいごぐ)という教えがあります。

十界とは人の状態・ありようを表したもので、地獄のような迷いの状態から、仏の悟りのような清らかな状態を十の境界で示したものです。

そしてこれらの十の境界は別々に存在するわけではなく、常に折り重なっており、善と悪を行ったり来たりしてしまうと説かれています。

たとえば完全な悪人がいないように、完全な善人であることが難しいように、私たちは自然と他人を気遣うこころを出すこともあれば、時には利己的な考えに支配されそうになる瞬間があります。

しかし、人もまた折り重なるようにこの社会で関係しあって生活をしています。優しい心が他人の善を呼び起こすこともあるでしょう。自分自身の独善的な感情が伝播するように他人の悪感情を引き出してしまうかもしれません。

争いや不和の絶えない私たちの世界の平和は、一人ひとりの「優しさの心」が響き渡ることで現れてくるのではないでしょうか。

 

 

本行寺のご紹介

本行寺は仏教の中で日蓮宗という宗派のお寺で、インドで仏教を説いたお釈迦様と日本で仏教を弘めた日蓮聖人を宗祖として信仰しています。日蓮聖人は鎌倉時代の僧侶で、乱世の時代に仏の教えによって人々を救おうとされ、現代でもその説かれた教えが受け継がれています。

宗教といえば、仏教のほかにも世界にはいろいろなものがあります。私たちが住む日本でも神道やキリスト教などをはじめ多くの宗教が信じられ、その中に仏教も含まれています。

神道は日本の神様についての教え、キリスト教はイエス・キリストが説いた教えです。では仏教はというと、他の宗教と比べ仏教の特徴としては、仏教は「仏が説いた教え」であり「仏になるための教え」でもあるとよく言われています。

ここでいう仏とは私たちが思い描く「神様」とは少し違う存在です。仏教では私たちの住む世界は苦しみの多い世界だと説かれています。仏とは真理を悟り煩悩や欲望から解きはなたれることで、その苦しみから離れた者のことであると説かれています。

ですので、仏教には仏になる方法=苦しみや悩みから救われる方法が説かれている宗教だとも言えるのです。